家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

家族療法関連

家族カンファレンスで大切なことはファシリ力

昨日は亀田家庭医の専攻医の先生方との「家族志向のプライマリ・ケア」の輪読会でした。 輪読会では本を題材にいろんな意見や鋭い質問が飛び交い、家族志向のケアの理論を実践に落とし込む非常に良い機会になっています。 個人的に印象的だったのは「家族と…

JPCA秋季セミナーにて家族志向のケアWS開催

9/23-24に日本プライマリ・ケア連合学会(JPCA)秋季セミナーにて『日常診療に役立つ家族アセスメント・家族面談の基本』『高齢者診療で役立つ家族アセスメント・家族カウンセリングの技法』を行いました。 www.primarycare-japan.com 全体としては、レクチャ…

日本家族療法学会第40回福岡大会に参加

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">9/16-17に開催された家族療法学会学術大会@福岡に参加いたしました! 5年前に参加した時はまだまだお知り合いも少なくアウェイな感じがありましたが、今はお知り合いも増えていろんな方との交流が…

家族看護学会第30回学術集会に参加・交流企画

9月9日に大阪大学で開催された家族看護学会第30回学術集会に参加しました! 竹中医院の竹中裕昭先生にお声かけいただき、一緒に交流企画「家族看護と医師との連携」を企画させていただきました。 自由参加形式で10名くらい来てくれたらいいなと思っていたら…

日本家族カウンセリング協会2023年度第4回全国大会で講演

日本家族カウンセリング協会2023年度第4回全国大会が6月18日にオンラインで開催され、「医療現場における家族支援とその展望」というテーマでお話しいたしました。 講演では、医療現場での家族志向のケア・家族支援の概要と実際について事例を交えながらお話…

ジョイニングからオープン・ダイアローグまでを再認識する旅 〜日本家族療法学会第39回淡路島大会への参加日記〜

9月16-18日開催の日本家族療法学会第39回淡路島大会に参加しました。 久しぶりの現地開催。対面ならではの臨場感あふれるワークショップや様々な方との交流ができた充実した期間でした。 今回は私と同じ家庭医の背景を持つ医師が6名参加し、何名か登壇して発…

家族志向のプライマリ・ケア輪読会(2022年)「5章 日常診療への家族の参加」質疑応答まとめ

今年も亀田ファミリークリニック館山の専攻医の皆さんとの家族志向ケアの教科書『家族志向のプライマリ・ケア』の輪読会に指導医として混ぜていただいています。 www.amazon.co.jp 本を読みながら皆さんから出た質問に答えることをしていますが、診療現場で…

プライマリケアの現場から日本の現状における家族支援の現状と考察(家族相談士資格取得に向けて)

今年度は家族相談士養成講座の講座を半年かけて受講しました。半年間、土曜日の午後半日にあるので、仕事しながらは受講するのは大変でしたが、家族の心理学から家族療法・家族カウンセリングの理論の学習から実習まで非常に勉強になりました。 kazokushinri…

健康な家族の考察 〜家族システム論的視点より〜

とある「医療と家族」というテーマのシンポジウムに招聘いただいた。様々な分野の先生も来られていたので、せっかくなので「健康な家族の考察」という少し哲学的なテーマを臨床現場の家族支援の経験や家族システム論の観点から考えお話した。 本記事は講演で…

【シリーズ家族療法】問題が問題でなく問題の解決法が問題であり、悪循環を断ち切る方法 〜コミュニケーション・アプローチ〜

はじめに 「健全な家族とは何か?」 これに答えることは難しい。特に、戦後夫婦を基本的要素とするような典型的な核家族像は現代においては一つの理想の家族の姿として目指していたが、多様な家族形態を受け入れるように進む現代においては、より一層定義が…

【シリーズ家族療法】人生において“大切な人”との関係を支える方法 〜アタッチメント理論 後編〜

はじめに アタッチメントは日本語で「愛着」ともいい、物事に深く心を引かれ、離れがたく感じる事をいいます。よく赤ちゃんと親がべったりすることを「愛着形成」というように使われ、子どもの発達において大事な要素とされています。 しかし、近年、愛着は…

【シリーズ家族療法】人生において“大切な人”との関係を支える方法 〜アタッチメント理論 前編〜

はじめに アタッチメントは日本語で「愛着」ともいい、物事に深く心を引かれ、離れがたく感じる事をいいます。よく赤ちゃんと親がべったりすることを「愛着形成」というように使われ、子どもの発達において大事な要素とされています。 しかし、近年、愛着は…

【シリーズ家族療法】家族の歴史を紐解き、同じ過ちから抜け出す方法 〜多世代家族療法〜

はじめに なぜこの家族の家系は同じような過ちを犯すのだろう?虐待の歴史を繰り返す家系、アルコール依存症の歴史を繰り返す家系、離婚を繰り返す家系など。そのように思ったことはありませんか。 家族の歴史はなぜ繰り返されるのか?そこに理論的な裏付け…

家族構造療法について 〜家族が変わると、個人が変わる〜

家族構造療法とは 家族構造療法は、1960年代に小児科医サルバドール・ミニューチンを創始者とした家族療法の一群で、個人の問題は、家族構造上の問題の反映であるとし、家族構造が変化するような介入を行い、個人の症状の回復を図ろうとする療法です。 すな…