家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

家族相談士の資格を取得

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家族相談士の資格を取得しました!

日本における家族支援の関連専門資格は大きく2つあり、そのうちの1つです。

昨年半年間、週半日を受講に当てつづけ、試験も範囲が膨大すぎて対策しようもなかったので中々に大変でした。

ただ非常に充実した期間で、家族心理学や家族療法・家族カウンセリングだけでなく、家族にまつわる社会問題や関連法案までを一気に学ぶことができました。

今まで点で学んでいたものが、線や面でつながった感じです。
思えば受講期間の半年は「家族とは何か」について考えた旅でもありました。
一番はじめの講座で「家族とは何か」のグループワークを行い、自分の常識が人にとっては理解し難たく、場合によっては支援の邪魔になることを身をもって知り、一度頭を柔らかくしてみようと思いました。

現代は家族の形態・機能が多様化し不確定となり、家族社会学・心理学では家族をほとんど定義していません。いかに考えられた定義でも、それは家族の一つに過ぎず、仮に今はそうでも、時代によって変化しうる可能性や地域によっては当てはまらないことも多いからです。

二転三転しながらも、今思うのは「家族とは何か?」以上に大切なことは「その人は何を家族と呼ぶのか?」であり「それは何故か?」です。それがその人の家族の定義であり、支援者としてその問いを忘れずにいたいです。

一方、定義が流動的なようで、人類最古の社会組織は家族ともいえ、人はそれ以上に濃密な関係を生み出してもいません。そう考えると家族には何かしらの普遍性もあるはずで、専門家(むしろ家庭人?)としても考察を深めていきたいです。家族相談士としての旅はこれからも続いていきます。