家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

非言語コミュニケーションを診察に活かす

  
先日勉強会で「非言語コミュニケーション」が話題になり、とても面白かったです。
 
コミュニケーションの上での言葉以外の重要性はメラビアンの法則などでも指摘されていますが、診療も同じで、患者さんにとっていかに居心地の良い空間を言葉以外でも演出するかが大切です。
 
非言語メッセージの基本的なところでは、声のトーン・ボリューム、話の早さ、見た目などがあります。勉強会で話題になった興味深いものとして、
 
・物理的距離:距離が近いと不安な方はあえて椅子を遠く置く。逆に、心の距離を感じる方やうちとけにくい方はあえて椅子を近く置く。自由に動かせる椅子をあえて置くことで、自在に距離感を作る工夫も。
 
・障害物:距離を作りたい場合に患者さんとの間にあえて聴診器を置く。また、患者さんが鞄を前に抱えているときは距離を置きたいと思っているので、鞄を無理に置かせないことも大切。
 
・時間帯:夕方の時間は疲れもたまって情緒的になりやすい一方、朝の時間は冷静になりやすい。話が長くなりやすい方や複雑な方は一番最後の時間帯に来てもらうように促しやすいけれど、朝の時間の方が案外冷静に話酢ことができる。
 
距離感、障害物、時間帯、なるほどと思いながら、これらをうまく使いながら「患者さんが安心していられる空間」を意識していきたいと思いました。
 
皆さんはどうされているでしょうか?
 
※写真は建物と滑り台が一体となった横浜のUNIQLO PARK。お洒落だけでなくハマる構造で、我が子が気に入りすぎて炎天下の中、2時間ばかり滑っていました。