コロナウイルスにより急遽学校が休校になり、オンライン学習サービスが提供され、さらにはオンライン授業も行う学校も出てきています。
これをきっかけに「生徒が集まって行う授業の意味」について考えられたら良いのかなと思います。オンラインでの学習は学校以外の現場ではすでに当たり前になっています。
さらに、ネットやSNSで知識を得ることも当たり前です。むしろ、30-40人を相手にした講義スタイルは「知識を得る目的では」非効率です。
医者になって社会に出てから、学校医として学校に訪問をすることがありますが、何十人もの子ども達が静かに授業を聞いている姿には違和感を感じました。
オンラインで知識を学ぶことができるのに、学校でせっかくみんなが集まって、お互い交流することもなくじっと話だけを聞いている。せっかくみんなが集まって、時間と場を共有しているならば、集まってでしかできないことをやればいいのに。
ふと以前感動した「サルマン・カーン氏」のTED Talkの動画を思い出しました。
カーン氏はオンライン教育コンテンツを世界に提供する「カーン・アカデミー」の創設者で、2012年にTime誌で世界で最も影響力のある100人に選ばれた人物です。
カーン・アカデミーはYouTubeでの短時間の講座を配信し、運営サイトにて練習問題や教育者向けの評価ツールを提供しており、世界中の誰でも無料で利用できます。
彼は動画の中でこのように述べています。
“教室というのはこれまで非人間的な場でした。
30人の子どもたちは口を閉じ、互いにおしゃべりすることができず。先生はいかに優れていようと、30人の無表情で少し反抗的な生徒の前で授業を進めることになります。
それがオンラインによる反転授業(※)を使うことで、授業は人間的な体験な場に変えることができ、互いにコミュニケーションを取ることができるのです。
テクノロジーを使って教室を人間的にすることができるのです。”
今回の出来事を通して、学校がオンラインによる授業導入を検討できたら良いなと思いました。
オンライン授業により、学校が一律に先生が生徒に知識を与える場になるのではなく、
理解が追いつかない生徒の「個別フォロー」に先生が回れるようになったり、
生徒達がディスカッションをして「知識を実践に落とし込む場」にしなったり、
言語では伝えきれない「非言語的コミュニケーション」を学ぶ場になればいいなと思いました。
(※)自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業