家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

映画「恋妻家宮本」からみるライフサイクル ー子供の巣立ち期の夫婦の課題ー

『恋妻家宮本』は重松清の原作『ファミレス』を実写化した映画です。 https://www.toho.co.jp/movie/lineup/koisaika-movie.html 「子供の巣立ち期に訪れる夫婦の危機」がよく描かれています。 あらすじ 子供が独り立ちした中学教師の宮本陽平(阿部寛)と妻…

システム論で考える不登校支援 支援編

【はじめに】 「不登校は病気ではないから治療すべきでない」 「不登校は精神障害のひとつだから治療すべきである」 という意見がよくあがりますが、いずれも誤りだと思います。 前者は、やはり悪い循環に陥っているのであればやはり何かしらの介入が必要で…

システム論で考える不登校支援 原因編

はじめに 「不登校になるなんて、きっときっかけがあるはず」 不登校となったお子さんや生徒を前にしたとき、こう考える保護者や支援者の方は多いと思います。 しかし、“犯人探し”は往々にしてうまくいかないことが多いです。 本人の性格、生育環境、愛情不…

認知行動モデルによる精神的苦痛とスピリチュアルペインの違いの考察

緩和ケア領域で説明される全人的苦痛の四つの苦痛。この違いは何かという質問をよく受けます。 全人的苦痛は、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルペインに分かれ、それぞれ分類されるとされます。 特に難しいのは、「精神的苦痛」と「スピ…

自分の家族図を書く合宿に参加

対人援助職向けの自分の家族史を振り返るワークショップに参加しました。 群馬のロッジに3日間宿泊しながら、お互いが自身の家族図を書き、過去の「家族史」を語り合います。参加した感想としては、濃い一人一人の映画を何本も見た気分です。 対人援助職であ…

発達障害の子供を抱えるお母さんの話

とある発達に障害を抱えた子供を育てるお母さんの話にとても感動しました。 その方は、自分のお子さんを「たからもの」と呼びます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもし、自分の子供が発達に障害を抱えた子供でなく、手のかからないお子さんであ…