家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

2022-01-01から1年間の記事一覧

予定調和的ファシリからの脱却 〜家族カウンセリング協会のグループ・ワークの感想〜

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">家族カウンセリング協会でグループ・ワークのファシリテーションを行い、フィードバックを受けるというセミナーを受講しています。直接フィードバックをもらうと自分の…

母校で性感染症について講演

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">毎年、母校渋幕の高校1年生の全校生徒対象に、保健の授業の中でも学校の先生が教えにくいものを卒業医師たちで行なっています。その名も「特別」保健授業。 " data-en-clipboard="true">今年は性感…

我が子の幼稚園入園にあたり夫婦で考えたこと

長女が来年から幼稚園入園の歳になったので、色々な幼稚園の見学や説明会に行って(主に妻がですが)夫婦でどこがいいか最近話します。選択肢がいくつかあるのは嬉しいことなのですが、逆に幼稚園ごとに特色がありすぎて悩みます。結局幼児期に何が大事にす…

ジャーナリストとHPVワクチンについて語る

とあるジャーナリストの方とHPVワクチンについて話をする機会がありました。医療者からみるとワクチンに対しての有効性や安全性もあるのに、何故報道機関があそこまで加熱したのか、そこにはどのようなすれ違いがあったのか、当時のことが気になり色々と伺い…

東京北医療センターで「家族志向のケア」ワークショップ開催

先日東京北医療センターにて「家族志向のケア」についてのワークショップを行う機会をいただきました。 3時間という時間をいただいたので、少し深掘りしたレクチャーやグループワークやロールプレイも交え、実践的な学びが得られることを意識しました。 長丁…

保険をきっかけに「もしもの時のこと」を考えた話

次女が生まれたので保険の見直しを行いました。保険を考えることで、どのような人生をこれから送りたいか夫婦で話すきっかけになりましたし、何よりも良かったのは担当の方に「どのような思いでいるのか家族に手紙を書いておくと良い」と提案いただいたこと…

ジョイニングからオープン・ダイアローグまでを再認識する旅 〜日本家族療法学会第39回淡路島大会への参加日記〜

9月16-18日開催の日本家族療法学会第39回淡路島大会に参加しました。 久しぶりの現地開催。対面ならではの臨場感あふれるワークショップや様々な方との交流ができた充実した期間でした。 今回は私と同じ家庭医の背景を持つ医師が6名参加し、何名か登壇して発…

医療化に対する考察 〜日本家族社会学学会に参加して〜

先日、日本家族社会学会の学術大会に参加しました。医療の周辺領域ではどのような話題があり、どのように議論がされているのか知りたくて越境を。 たくさんの学びがありましたが、特に興味深かったのは「医療化」という言葉です。社会学では、これまで医療の…

公認心理士国家試験に合格しました

公認心理師国家試験に合格しました。 昨年心療内科で1年間学び、もっと心理学や心理支援を深め診療に活かしたいと考え受験に至りました。せっかく勉強するならと、理解を深めるためにオンラインで予備校の授業も受けたりしました。 仕事しながらの勉強の大変…

非言語コミュニケーションを診察に活かす

先日勉強会で「非言語コミュニケーション」が話題になり、とても面白かったです。 コミュニケーションの上での言葉以外の重要性はメラビアンの法則などでも指摘されていますが、診療も同じで、患者さんにとっていかに居心地の良い空間を言葉以外でも演出する…

トイレトレーニングについて

8月入って我が子がトイレトレーニングをはじめました。 最初数日は全くうまく行かず、本当に大丈夫かと思ったり、心折れそうにもなりました。それでもめげずに続ける中、最初にトイレでできた時の感動、自分から「トイレに行く」と言った時の感動は忘れられ…

家族志向のプライマリ・ケア輪読会(2022年)「5章 日常診療への家族の参加」質疑応答まとめ

今年も亀田ファミリークリニック館山の専攻医の皆さんとの家族志向ケアの教科書『家族志向のプライマリ・ケア』の輪読会に指導医として混ぜていただいています。 www.amazon.co.jp 本を読みながら皆さんから出た質問に答えることをしていますが、診療現場で…

プライマリ・ケア連合学会夏期セミナーでワークショップ開催

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">プライマリ・ケア連合学会「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」にファミラボの皆さんとワークショップを行いました。 内容は「家族志向ケアに使う コミュニケーションスキルブートキャン…

集団・社会を理解する上で陥りやすい罠

昨今、結論がなかなか出せないような事が頻繁に起きています。 メディアやSNSの議論のプロセスを見ていると原因を単純化させたり、単一の個人・集団・社会を悪者にしたりと激化しているものもあるのを感じます。 その結論がどうかはわかりませんが、プロセス…

近隣の訪問看護ステーションと事例検討会開催

先日近隣の訪問看護ステーションと事例検討会を行いました。 事例は家族間葛藤が強いとある患者さん。医療者もその葛藤に巻き込まれ振り回されがちで、一方の家族から裏でお願い事をされたり、内緒でと言われながらあれこれ言われたりで関係者がしんどい思い…

大きなショックのあとに起こること

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true"> 大きなショックのあとその突然の大きな変化に戸惑い、悲しみや不安だけでなく、混乱または怒りなど心が不安定になります。それはどんなにしっかりとした方でもなる、ごく自然なことです。 また、状…

活動報告 日本心身医学学会総会でポスター発表

日本心身医学学会総会で「家庭医・総合診療医師のための心身医学的教育の開発と実践」というテーマで発表をしました。 昨年度の聖路加心療内科での診療経験をもとに同病院総合診療専攻医向けの教育プログラムを開発したので、その実践報告です。 もともと心…

月間仏事で対談記事を掲載いただきました

月間仏事で対談記事を掲載いただきました。 https://shop.kamakura-net.co.jp/smartphone/detail.html?id=000000000864 月間仏事は供養業界のビジネス誌。勝浦市妙海寺住職の佐々木教道さんよりご縁をいただきました。 在宅医療者、グリーフケア、家庭医と色…

活動報告 第13回JPCA学術大会シンポジウム・ポスター発表

JPCA学術大会では家族志向ケア関連のシンポジウムの座長とポスター発表を行いました。 ●シンポジウム「家族志向ケアの教育について考える」 家族志向ケアの教育を先進的に行う研修機関の取り組みを様々な先生に発表いただきました。ロールプレイ、陪席指導、…

子ども2人になって感じる集団心理

次女のお食い初めを行いました!次女を眺めながら、長女の時はどうだったかなーとあまり思い出せず。それだけ1人目の時も必死だったんだ、と思いました。 子どもが2人になって100日。1人だけの時とは違い、家族に集団心理がより強く働くのを感じます。 長女…

家族相談士の資格を取得

家族相談士の資格を取得しました! 日本における家族支援の関連専門資格は大きく2つあり、そのうちの1つです。 昨年半年間、週半日を受講に当てつづけ、試験も範囲が膨大すぎて対策しようもなかったので中々に大変でした。 ただ非常に充実した期間で、家族心…

在宅医療における「意思決定支援」を考える ー意思とは何か?決めるもの?ー

・何かあったら病院まで搬送するのか、家でできる範囲で治療するのか・食べれなくなったら点滴するのか、しないで自然に過ごすのか・寝たきりになったら自宅で過ごすのか、病院や施設で過ごすのか・心臓や呼吸が止まったら延命治療をするのか、しないのかな…

新しいクリニックに勤務して1ヶ月

ひまわりクリニックに来て1ヶ月。診療に少しずつ慣れ、家庭医の知識・技術は職場では医者らくしないと珍しがられながらも貴重がられることを感じ、それを現場に応用したり、伝えるかに日々楽しさとやりがいを感じています。 何でも診ますという家庭医として…

新しいクリニックで家庭医について紹介しました

先週はクリニック院長・事務長や看護師さんに以前の病院での取り組みや家庭医についてご紹介する機会をいただきました。その後のディスカッションでは、浦安地域やクリニックの現状や歴史を教えていただき、その上で何ができそうかの話にもなり大変有意義な…

2021年度の振り返りと今後

昨年度はメンタルヘルスを学びたいと思い聖路加心療内科で勤務しながら亀田で家庭医/在宅医としての診療も続け、聖路加と亀田を非常勤としてほぼ週の半分ずつ勤務していました。 心療内科では精神疾患のマネジメントや心理療法について学びたいと思いました…

ファミラボ活動報告 指導者のみのグループスーパービジョン 

先日、運営するコミュニティ「ファミラボ」にて岡山家庭医療センター 松下明先生の事例を聖路加心療内科 山田宇以先生と三重大学総合診療科 若林英樹先生とで議論するという非常に豪華な症例検討会を行いました。 日本では家族支援の専門家が少ないですが、…

2021年度 心療内科での診療を振り返って(1年間)

2021年4月より心療内科での診察に週2-3日携わるようになり、1年が経ちました。心療内科で1年間どっぷりと診療をし、心療内科や心理療法の奥深さに触れられ日々大変学びも多く、家庭医でなければ心療内科になることを選んでいたかもしれないと思うほど面白か…

コロナ禍における「あいまいな喪失」

かけがえのない人や物を失うことを喪失といいますが、時には明確でない何かをはっきりしないまま、解決や決着することもできないまま喪失していることがあり、それを「あいまいな喪失」といいます。日本には、11年前の東日本大震災をきっかけに紹介され、コ…

鬼滅の刃にみる円環的因果律

バタバタして見れなかった鬼滅の刃遊郭編の最終話をAmazon primeでやっと見ましたが、今回も面白かったです。鬼滅の刃は鬼退治の物語ですが、単純な勧善懲悪物語ではなく、毎回主人公が鬼退治をしながらも鬼の悲しい事情も受けとめようとし、その姿に真の優…

次女の誕生と長女の赤ちゃん返りと曖昧な喪失

先日、我が家に第二子次女が産まれました。愛情豊かな人生を送って欲しいなと思います。 同時に長女は激しい赤ちゃん返りに。産まれる前から色々な方からお姉ちゃんもいっぱい愛してあげてねと助言をいただき、妻と「お姉ちゃんだから・・・」は言わないルー…