育児のために2月の1ヶ月間(生後1ヶ月)を時短勤務いたしました。
時短勤務のおかげで、育児の基本や子供の日々の成長に目を向ける心の余裕ができたのは大きかったです。
何よりも、育児の辛さを少しだけでも妻と共有できたのが宝です。
一緒にいるときは極力子供のことをみるようにしましたが、
それでも時間がちょっとあるときはデスクワークをしようと目論んでいました。
しかし、子供が泣きだすと計画が全部潰れ、結局あまり何もできません。
妻がよく「子供の相手をしていたら1日が終わってしまった」と言いますが、
その気持ちが今は痛いほどわかります。
育児は出産前に描いていたような理想的な部分は本当ごくわずかで、
べたっと常に子どもに張り付いて、
こちらも眠くて・痛くて・汚くて・イライラもすることを知りました。
その中で自分ができたことなんてごくわずかのことで。
妻はいつもべったりと子どものそばにいて、
それでいて「かわいい、かわいい」と言っていますが、それには驚きます。
妻を一層尊敬する1ヶ月間でもありました。
1ヶ月の期間は、父親となるにはもちろん短い期間ですし、
ここで体験したことは育児の中の本当にごく一部だと思います。
それでも、父親への自覚がわずかに芽生えるためには十分だったのかなと思います。
父親の育休や時短勤務は取る風潮が出る一方で、
「必要なの?」という声もまだまだあると思いますが、
私は是非勧めたいです。
子どもが生まれるというのは、親にとって心理面・生活面でも大きな変化をもたらします。
何よりも「家族の力関係」が想像以上に大きく変化します。
家族療法の観点では、ライフサイクルの変わり目の力関係の変化に、
「早い段階で」柔軟に適合できるかどうかは一生を決めます。
適合できれば、家族は大きく成長しますし、
適合できなければ、数年いや数十年間は家族関係に大きく影響を与え、
場合によっては「家族機能不全」になる可能性さえあります。
育児休暇や時短勤務は職場に迷惑は絶対かかります。
しかし、その数ヶ月は職場にとっては他の期間と変わらない期間かもしれませんが、
親や子供にとっては、人生の変わり目になる「希少価値の高い数ヶ月」です。
人として、家庭医として人生観が変わる1ヶ月間を過ごさせていただきました。
何よりも育児時短勤務を許してくださった、職場に心より感謝です。
育児に理解ある職場が増えることを願って。