9月15日に大阪科学技術館で開催された日本プライマリ・ケア連合学会秋季生涯教育セミナーにて、以下のセッションに関わらせていただきました。
● <不安症のエキスパートに学ぶ>プライマリ・ケアにおける「不安」への対応
JPCAメンタルヘルス委員会と日本不安症学会のコラボレーション企画です。
曖昧になりがちな診断、薬剤選択、心理療法のエッセンスの活用について、エキスパートの先生方と一緒に学びました。
参加者の皆様からの熱意ある質問から、不安症やパニック症が臨床現場で多く見られることを改めて実感しました。
具体的な言い回しや実践的な方法も紹介され、非常に役立つ内容でした。
- パニックになるのは、危険を察知する能力が高いからです。
- 想像力が豊かだからこそ不安を感じやすいのです。
- 不安のときは恐怖に包まれますが、必ず自然に収まります。
- 適切な治療を受ければ、良くなります。
実際、精神科よりもプライマリ・ケアの現場で診られることが多いそうです。「不安」に対する対応力がプライマリ・ケア医に備わることで、日本のメンタルヘルス医療全体の質向上に寄与すると感じました。
興味のある方は、学会のe-learningで講義動画が公開されていますので、ぜひご覧ください!
● 個人から家族を診る:プライマリ・ケアで実践できる夫婦関係へのアプローチ
ファミラボ(プライマリ・ケア医のための家族支援研究所)主催のワークショップです。
慢性疾患のコントロールが難しい方や身体症状が持続する方の中には、夫婦関係が影響している場合が一定数あります。しかし、診療の中で夫婦関係に踏み込むことにはためらいがありますし、そもそも踏み込んで良いのか悩むこともあります。
また、カップルを診療に呼んでみることも考えますが、多くの場合、一方のパートナーが来てくれないことがほとんどです。
そこで今回は、個人面接の中で夫婦関係にどのようにアプローチすべきかをテーマにワークショップを開催しました。
当日は、家族システム理論や家族療法の視点から、夫婦をどのように理解し、どのように働きかけるかを学びました。
個人面接で夫婦関係に取り組むという、やや高度な内容ではありましたが、グループワークやロールプレイも交え、実践的な学びを得ていただけたのではないかと思います。
久しぶりに現地での参加となりましたが、現地ならではの良さを改めて感じました。