家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

2021年度の振り返りと今後

f:id:kamenokodr:20220410082425j:plain

昨年度はメンタルヘルスを学びたいと思い聖路加心療内科で勤務しながら亀田で家庭医/在宅医としての診療も続け、聖路加と亀田を非常勤としてほぼ週の半分ずつ勤務していました。

心療内科では精神疾患のマネジメントや心理療法について学びたいと思いましたが、結果的に自分の診療だけでなく自己の内面や普段のコミュニケーションについても根本から覆されました。しんどさもありましたが、それ以上に得られたものは多かったです。

また、学んだ心理療法精神疾患に限らず、色んな場面に活用できます。すべての病気には多かれ少なかれ心理的反応が存在し、家庭医外来や訪問診療の何気ないやり取りに心理療法のエッセンスを少しばかり活かすだけでも患者さんの反応が全く異なることも実感しました。

昨年度後半には聖路加国際病院でローテーションする研修医・専攻医の教育にも携わらせていただき、教えながら一年間何を学んできたかを整理する機会にもなりました。改めて貴重な機会をくださった聖路加心療内科副部長の山田宇以先生に感謝です。

あと個人的に非常に学びになったのが、すべてを非常勤で勤務したことで「非正規雇用者」という立場の苦労や辛さを少しばかり知ることができたことです。これは経験してみないと中々理解し得ない立場であり、非常に貴重な社会勉強になりました。

今後ですが、元々心理・精神科領域に関心はあったので家庭医でなければ心療内科になることを選んでいたかもしれません。ただ、プライマリ・ケアの現場に心理支援の内容を落とし込むことにたくさんの可能性があると思い、これからも地域の家庭医として頑張りたいと思います。

4月からですが、ご紹介で千葉県浦安市のとある外来・在宅診療クリニックで働くことになりました。院長は家庭医にとても理解を示してくださり、肩書きも「家庭医」で通すことも了承いただきました。

今まの実践や学んできたことを基盤に、千葉県県北で家庭医療・メンタルヘルス・家族支援に力を入れて頑張っていきたいと思います。亀田家庭医/在宅と聖路加心療内科での診療・指導は引き続き続けていきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

※写真は桜並木咲き誇る春の浦安 桜とヤシの木が共存しています