家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

ちちぶ圏域ケア連携会議研修会にて家族療法関連の講演

2月3日にちちぶ圏域ケア連携会議研修会にて、聖路加国際病院心療内科山田宇以先生と一緒に「事例から学ぶ明日から役立つ家族療法のエッセンス」の講演会を行いました

秩父地域 は「ちちぶ版地域包括ケアシステム」 という1市4町協働で地域包括ケアシステムを構築をされ、全国的にも珍しい体制です。

毎月何かしらの勉強会をされており、その頻度の多さに皆様の意欲の高さを感じました。また、コロナ禍以前は、講演会の時に医療福祉従事者で演劇を行ったり、今はラジオ番組を持ったりと、実にマルチな多職種の方が多いと実感しました。

講演では、冒頭で事例をもとにしたグループワークを行い、後半は病気と家族の心理、支援に役立つ家族療法の技法を中心にお伝えしました。

師匠である山田先生の講演はいつもながら勉強になります。軽快なテンポに、共感を誘う例え話がふんだんに織り込まれ、それをしっかりと理論化されていく。何回聞いても新たな発見があります。

高齢化社会に伴い、家族単位の支援はさらに求められます。

高齢化により病気を抱える方は増え、その家族もまた大切な支援対象であるため、より「家族も含めた支援」が求められます。また、独居高齢者は増え、支援者は家族役割代行が求められ「家族のような対話」が求められるでしょう。

さらに、核家族に伴うきょうだい間の物理的・時間的距離の開きは、終活に伴うきょうだい間葛藤の増加につながっていると感じます。現に、介護をめぐるきょうだい葛藤は支援者に相談され、支援者に「家族間葛藤に対する支援」が求められます。

今後も家族支援について深めていきたいと思います。

秩父市立病院の加藤寿先生、貴重な機会をありがとうございました!

家族に秩父行くと行ったら、三峯神社に行きたいと一緒に参拝。標高1000mの溢れる登山感に、心くすぐられ、今年はもっとアウトドアを楽しもうと思いました。