家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

浦安市医師会にてグリーフ・ケアについての勉強会を開催

浦安市医師会主催で亀田総合病院緩和ケア室チャプレンの瀬良先生をお招きし、グリーフ・ケアについての勉強会を行いました。

昨年もグリーフ・ケアの勉強会を浦安市で開催しましたが、皆様から再度開催の要望もあり企画いたしました。

前回は総論的内容だったので、今回は各論として「罪悪感」をテーマにお話しいただきました。

「もっと早く病気に気づいてあげられれば・・・」

「私があんなこと言わなければ・・・」

「最期の時、間に合わなかったんです・・・」

死別を経験された方が、後悔や罪悪感を感じられることは珍しいことではありません。 

講演で印象的だったのは、支援者は「罪悪感を取り除く者としてではなく、理解者としていることが大切」という言葉。

自信を責めるご遺族にお会いすると、ついつい取り除こうと「そんなことない」と伝えたくなりますが、それはむしろ自分が居心地悪いさゆえかもしれません。

また、何を伝えれば正解というのはなく、支援者がその時感じたことをご遺族にそのまま伝えたら良いし、それが難しいならば無理に何か伝えなくて良いというのも、肩の荷が降りる思いでした。

グループワークでもたくさんの意見だけでなく、悩みも共有されました。死別と向き合うのは支援者もしかり、在宅医療の現場は感情労働の場だと改めて実感しました。

そう思うとこの勉強会は、日々死別に向き合う支援者側のグリーフ・ケアになっているのだと思います。

定期的な荷下ろし場として今後も開催をしていきたいと思います。

瀬良先生、ご準備いただいた浦安市医師会の事務の皆様、本当にありがとうございました!