家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

「在宅医療における家族支援」@家族療法学会のワークショップ開催

「在宅医療における家族支援」@家族療法学会のワークショップを終えました!

家族療法学会には、医療分野に馴染みが少ない心理士さんが多くいらっしゃると考え、在宅医療に関心を持っていただき、今後どんどん参加いただけることを目標にワークショップを行いました。

心理士の方が大半で、他にソーシャルワーカー、ケアマネージャー、医師(精神科医・総合診療医・外科医)、看護師の方が参加してくださいました!精神科医の先生も参加してくださりました。

いろいろな意見を聞きたいと5時間のワークショップのうち、レクチャーとグループワークちょうど半分ずつとしましたが、アンケートを見ると反響も良かったです。

前半は在宅の現場の紹介や家族と関わる上での特徴を中心にレクチャーを。後半は、普段で現場で扱う困難事例のケースのディスカッションを扱いましたが、心理士さんの切り口が本当に斬新で、在宅医療に心理士の方が関わる可能性を感じました。心理士さんを交えた多職種カンファレンスの様で非常に面白かったです。

また、在宅医療における家族療法の可能性に関してグループディスカッションを行いました。様々なアイデアが出たと共に、心理士さんが在宅医療に関与する(そもそも身体科の医療現場にも?)上での壁も徐々に見えてきました。

共通言語の乏しさ、診療報酬システムが追いつかない、現場の余白の不足など。

それと、精神科で訪問診療されている先生もいらっしゃり、在宅医療の制度面で感じていらっしゃるモヤモヤも共有くださり、大変勉強になりました。

その中でも在宅医療や身体科の医療分野に心理士さんとが連携しながら関わっている医療機関もあることを知れました。在宅医療における家族療法やメンタルヘルスについてしばらく対話を重ねていきたいです。

貴重な機会をくださった若林英樹先生、素晴らしい講演をしてくださった山田宇以先生、永嶋有希子先生、講演とともに精神医学・家族療法の観点からご指導くださった渡辺俊之先生ありがとうございました!

来年の学術大会は金沢で開催されます。なんと、家庭医業界で有名な「医師の家族へのかかわりの5段階」のラダーを考えた米国家族療法家William Doherty氏が来られます。

大会長に小笠原知子先生、実行委員長は若林英樹先生、私も実行委員を務めることとなりました。プライマリ・ケアで関わる医療者も関心を持てる企画も考えていきたいと思いますので、ぜひ来年は金沢の学術大会にお越しください!