家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

第64回日本心身医学学術講演会参加・ポスター発表

7/1-2に第64回日本心身医学総会がパシフィコ横浜で開催され、参加しました!

私はポスター発表にて2年間の聖路加国際病院心療内科での診療経験を共有いたしました。

改めて振り返ると、心療内科では精神疾患/心身症の診断と治療、心理療法、感情と転移/逆転位の扱い方、病態水準に合わせた診療の枠組みの作り方を主に学ばせていただいたなーと思いました。

診察する疾患もプライマリ・ケアで関わる事例と類似しており、心療内科で診療して良かったと実感しました。この学びをもっと共有できるようにしていきたいです。

その他にも興味深い内容がいくつもありました。

起立性調節障害の他の鑑別と薬剤選択。ただ、重要なのは薬剤治療以上に生活指導であり、心療内科や小児科の先生がどのように生活指導を組み立てているのか非常に興味深かった。

・ポリヴェーガル理論という、自律神経は交感神経と2つの異なる副交感神経から成るという理論。個人的に機能性疾患や不定愁訴を自律神経のメカニズムでよく説明しているのですが、説明の仕方も少し変わりそう。

・診療内科の先生が在宅医療に携わって、診療の枠組が在宅だと曖昧になってくるので苦労したという話。在宅診療でどのように診療の枠組みを作っていくのかは大事な課題。

・入院中に家族図を自身で書いてもらう取り組み。葛藤が強い関係性ほど最初は描けないけれど、治療が進む中で描けるようになる。課題となる関係性がわかりやすいし、患者自らが家族を振り返る。関係性の線も自分で引いてもらうというけれど、関係性を描けるようになるのはある程度自分の関係性を俯瞰できるようになった証拠。(立ち話)

会場では様々な心療内科の先生と出会うことができ、だいぶチャージできました!