家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

母校にて地域医療についての宣伝

f:id:kamenokodr:20211205193329j:image

母校である昭和大学の「学部横断地域医療実習」の宣伝の動画撮影のために数年ぶりに母校に伺いました!

昭和大学では、4名程度の多職種の学生が一つのグループとなって、1ヶ月もの間に地域の医療機関福祉施設を回ったり、患者さんに継続的に関わり、議論しながら地域医療について学ぶ選択実習があります。

年々この実習を選択する学生が減っていて、そのためにも宣伝動画を作ろうということでお声をかけていただきました。私は8年前に実習第一期生として実習に参加させていただき、そこで学んだことや今の仕事にどう影響しているかなどをお話しさせていただきました。

お話ししながら、改めてこの実習が今の自分の進路選択に影響していることを思いました。

患者さんの治療の影響や生活を五感で感じること、実際の患者さんの治療だけでなく生活の支援まで真剣に考えること、地域で働く医療職や福祉職の苦労や思いの生の声を聞くことができたこと。これらは地域に出ないと中々学べないものばかりでした。

病院での医療は病院でこそ学べますが、地域での医療は地域に出ないと学べないものがたくさんあります。そして、どんな専門性を持っていても、医療である限り患者さんのごく一側面を切り取ってみているにしか過ぎません。

医療は患者さんがいてはじめて成り立ち、そう考えると医療の目的は、病気の治療では十分ではなく、本当は治療の先の患者さんの生活の質の向上が大切です。

患者さんの生活がどのようになっているのか、それを支える診療・支援がどのように展開しているかを体験して知っておくことは、将来どんな現場に行くにしても役立ちます。是非学生のうちに短期間でもどっぷりと地域医療の現場に浸かって欲しいなと思います。

そんなことをお話しさせていただきました。自分の原点を思い出す良い機会でしたし、改めて地域医療についていろんな人に伝えていこうと思いました。