家庭医の学習帳

千葉県のクリニックで子どもからご高齢の方を日々診療。心療内科・家族支援にも力を入れています。日々考えたことや勉強したことを綴ります。

日記

悲嘆(グリーフ)は立ち直るもの?

悲嘆(グリーフ)に陥ったご遺族の方から、 このような言葉が胸に突き刺さると聞きます。 「○ヶ月(年)も過ぎたんだから元気出してね。」 「お子さんもいるんだし、あなたが頑張らないとね。」 「泣いてばかりいると、亡くなった○○も悲しいよ。」 「そんな…

世界における日本の保険制度の位置付け ーユニバーサル・ヘルス・カバレッジの視点からー

先日院内の勉強会でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(以下UHC)について話題になり、 世界の医療制度を学ぶ貴重な機会でした。 UHCとは「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」こと。 2015…

育児で時短勤務をしてみて

育児のために2月の1ヶ月間(生後1ヶ月)を時短勤務いたしました。 時短勤務のおかげで、育児の基本や子供の日々の成長に目を向ける心の余裕ができたのは大きかったです。 何よりも、育児の辛さを少しだけでも妻と共有できたのが宝です。 一緒にいるときは極力…

アドラー心理学で考える子育てのヒント

“間違った行動が引き起こす結果こそ最良の教師である” とある心理士さんとのアドラー心理学をベースにした子育て勉強会での言葉です。 アドラー心理学というと、最近まで様々な本が出版されていましたね。 特に「叱らない」「褒めない」関わり方で有名ですが…

コーチング研修会に参加してみて

“コーチングはティーチングでもカウンセリングでもない双方向性のコミュニケーションである” コーチングの2日間の研修会に参加してきました。 「コーチ」というとスポーツや競技でよく聞きますが、 1980年代からアメリカではビジネスの世界に「コーチ」をつ…

人の罪悪感を受け入れる

“亡くなった方に罪悪感を覚えるのには、その亡くなった方を大切に思っている証拠。だからむやみに否定しない” とあるグリーフケア関連の勉強会での医療者の一言です。 人が罪悪感を感じていると、ついそれを軽減しようとします。 否定したり慰めたりと。 た…

認知行動モデルによる精神的苦痛とスピリチュアルペインの違いの考察

緩和ケア領域で説明される全人的苦痛の四つの苦痛。この違いは何かという質問をよく受けます。 全人的苦痛は、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛・スピリチュアルペインに分かれ、それぞれ分類されるとされます。 特に難しいのは、「精神的苦痛」と「スピ…

自分の家族図を書く合宿に参加

対人援助職向けの自分の家族史を振り返るワークショップに参加しました。 群馬のロッジに3日間宿泊しながら、お互いが自身の家族図を書き、過去の「家族史」を語り合います。参加した感想としては、濃い一人一人の映画を何本も見た気分です。 対人援助職であ…